日本では歴史的に動物性たんぱく源は魚類が中心で、回遊魚などの生産の調節は困難であったことから冷蔵倉庫の必要性が特に高く、日本の冷凍倉庫業は水産業とともに発展した[3]。
日本初の冷蔵倉庫は、1899年(明治32年)5月に鳥取県米子町(現米子市)に建設された。悪性腫瘍研究者の中原和郎の父にあたる中原孝太により日本冷蔵商会が設立され、アメリカのフリック社製のアンモニア冷媒冷凍機を用いて鮮魚の冷凍や製氷を行ったが、需要が少なく苦戦した[4]。1920年(大正9年)には北海道森町に、葛原猪平により冷蔵倉庫(現ニチレイフーズ森工場)が建設され、製氷や冷凍食品事業が開始された[5]。
法令上、自家用冷蔵倉庫と、倉庫業法に基づく国土交通大臣の登録を受けた営業冷蔵倉庫とに大別できる。自家用冷蔵倉庫は1,567ヶ所、保管能力521万m3であるのに対し、営業冷蔵倉庫は1,626ヶ所、2901万m3の保管能力を有する[6]。営業用・自家用を合わせた都道府県別保管能力は、神奈川県111ヶ所385万m3、東京都112か所340万m3、北海道557か所330万m3、大阪府93か所288万m3、兵庫県109か所218万m3の順で、奈良県が営業用のみ1か所14,623m3と最も少ない。青森県では営業用46か所61万m3に対し自家用157か所80万m3と、自家用の保管能力が営業用を上回っている[6]。品目別保管残高は、水産物41.2%、畜産物23.8%、農産物18.2%、冷凍食品14.1%、その他が2.7%となっている[7]。保管温度帯により、下記の通り分類される[2]。
C3級 +10℃以下-2℃未満 1,101ヶ所、409万m3
C2級 -2℃以下-10℃未満 627ヶ所、743万m3
C1級 -10℃以下-20℃未満 590ヶ所、742万m3
F1級 -20℃以下-30℃未満 2,593ヶ所、2865万m3(F1~F4級計)[7]
F2級 -30℃以下-40℃未満
F3級 -40℃以下-50℃未満
F4級 -50℃以下