イギリスの個人保険業者の集団で,英国保険市場において約3分の1の営業量 (保険料収入による) をもっている。 17世紀中頃ロンドンに開かれた E.ロイドのコーヒー店に起源を発し,当時海運貿易業者,個人保険業者がこのコーヒー店をたまり場として情報交換,取引などを行なっていたことから海上保険取引の一つの中心として栄え,ここに集る海上保険引受人をロイズの保険引受人と呼ぶようになった。その後独立してロイズ社団となり,1871年ロイズ保険組合 The Corporation of Lloyd'sとして法人となった。しかし保険の引受けは引受会員 under writing memberと呼ばれる個々の会員の勘定と危険負担において業務は営まれるもので,保険組合自体は法人格はもつものの保険を引受けるものではなく,単にこれらメンバーに取引を行う建物を提供し,海事に関する情報資料の収集,配付を業とするにすぎない。保険を引受けるメンバーはいくつかのシンジケートを結成し,各シンジケートごとに引受代理人を任命して保険引受業務を行わせている。今日のロイズ保険組合はイギリス保険市場だけでなく,世界保険市場における中心的存在になっており,その引受ける保険の種類も海上保険だけでなく,火災保険から新種保険の分野にいたるまで広範に及んでいる。アメリカにも Lloyd'sを称する保険団体があるが,一般に Lloyd'sといえばロンドンのロイズをさす